Q&A
- 監修:
- 北海道医療大学 名誉教授
- 浅香 正博 先生
こちらは、ピロリ菌の除菌療法を受ける患者様ならびにご家族の方々に、ピロリ菌の除菌療法について正しく理解していただくためのページです。ピロリ菌の除菌をお考えの方は、除菌療法が必要かどうか主治医とよく相談してください。
患者さん向けのピロリ菌の除菌療法に関するよくある質問をまとめています。
ピロリ菌の除菌療法
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ピロリ菌を除菌するとどうなるのですか?
これまで慢性胃炎、胃潰瘍・十二指腸潰瘍の再発は、やっかいな病気と考えられていました。薬を服用することにより、ピロリ菌を退治する治療を「除菌療法」といいます。胃潰瘍・十二指腸潰瘍の人がピロリ菌に感染している場合、この除菌療法を行うことによって、完全というわけではありませんが、胃潰瘍・十二指腸潰瘍の再発が抑制されることがわかってきました。
2004年に報告された多施設研究では、除菌に成功した方の胃潰瘍の再発率:2.3%/年、十二指腸潰瘍の再発率:1.6%/年であり、経過観察した4年間における胃潰瘍・十二指腸潰瘍の再発率は3.0%でした。1)
1)Miwa H, et al.: Helicobacter. 2004; 9(1): 9-16
胃潰瘍、十二指腸潰瘍 -
ピロリ菌の除菌はどのように行うの?
ピロリ菌の除菌療法とは、1種類の「胃酸の分泌を抑える薬」と2種類の「抗菌薬」の合計3剤を同時に1日2回、7日間服用する治療法です。確実にピロリ菌を除菌するために、指示されたお薬は必ず服用するようにしてください。
除菌療法成功のコツ -
除菌のお薬をのみ忘れない工夫はありますか?
携帯電話のアラームをセットする、カレンダーでチェックする、お薬は目に付きやすい食卓などに置いておくなど、自分の生活習慣にあった方法がよいでしょう。高齢の患者さんでは家族の声かけも有効です。
除菌療法成功のコツ -
除菌療法の副作用にはどんなものがあるのですか?
便がゆるくなったり下痢を起こしたりすることや、味覚異常、発疹やかゆみがあらわれることがあります。発熱、腹痛を伴う下痢、便に血が混ざっている場合、あるいは発疹やかゆみがあらわれた場合は、直ちに薬の服用を中止して、主治医または薬剤師に連絡してください。
軟便、軽い下痢または味覚異常の場合は自分の判断で服用する量や回数を減らしたりせずに、残りの薬を最後まで(7日間)飲み続けてください。ただし、服用を続けているうちに症状がひどくなった場合には、我慢せず、主治医または薬剤師に相談してください。
除菌療法の副作用 -
除菌療法の成功率はどれくらいですか?
正しくお薬を服用すれば、1回目の除菌療法の成功率は約68~92%といわれています。
除菌療法の注意点 -
除菌療法に失敗した場合はどうするのですか?
一次除菌療法でピロリ菌が除菌できなかった場合は、2種類の抗菌薬のうちの1つを初回とは別の薬に変えて、再び除菌療法を行います(二次除菌療法)。
一次除菌療法で除菌ができなかった場合でも、二次除菌療法をきちんと行えば、ほとんどの場合、除菌が成功すると報告されています。
検査から除菌まで